
【目次】 | |
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1 | Top |
2 | 予告編 |
3 | 解説 |
4 | クレジット |
5 | オンデマンド視聴|無料 |
6 | 関連事項 |
予告編
解説
1995年春、障がい者と健常者で構成されたダンス・カンパニー、“アミキ”は、ベルリンへと旅立ちました。舞台作品「リュックブリック」を上演するためです。「リュックブリック」は、2つの大戦を生きたドイツの芸術家ケーテ・コルヴィッツの生涯を描いたアミキの代表作です。
作品は、ヒースロー空港から始まり、リハーサル風景、バック・ステージ、旅の様子、公演のハイライトを追い、同時に、ケーテの日記を通して、彼女の葛藤、苦悩、生涯も追っていきます。

ケーテ・コルヴィッツ(1867〜1945)


ケーテ・コルヴィッツは、20世紀前半のドイツを代表する芸術家。ドイツ、ヴァイマル共和国、ナチス・ドイツという揺れ動く時代、そして2つの大戦を生き、優れた絵画、版画、彫刻を残しました。
彼女の作品のモチーフは、一貫して、貧困や社会の矛盾に虐げられた人々、そして戦争に苦しむ、市井の人々の姿でした。彼女自身も2つの戦争で息子と孫を失い、母としての苦しみや葛藤を描いた作品を数多く描きました。 ケーテは生涯、戦争と貧困、社会の矛盾に虐げられた人々に美を見出し、共に生き、作品を描き続けました。




アミキ・ダンス・シアター・カンパニー(1980〜)
アミキ・ダンス・シアター・カンパニーは、1980年、舞踊教育家、振付家ヴォルフガング・シュタンゲによって、ロンドンで設立されました。
アミキの大きな特徴は、障がい者と健常者による統合されたダンス・シアター・カンパニーということです。
その基礎は、シュタンゲ氏が創始した障がい者と健常者によるダンス・ワークショップにあります。ワークショップでは、普段は否定される障がい者の身体の動きに美を見出し、それを分かち合い、ダンスに変容させていきます。同時に、障がいの有無を問わず、すべての参加者の個性や身体の動きに美を見出し、ダンスに変容させていきます。
アミキの舞台作品は、そんな思想とメソッドを発展させたものと言えます。
そんなアミキは、「リュックブリック」をはじめ、多様性や公平性、包括性、平和を訴える作品を1980年代から制作し続けてきました。そして現在も、社会の矛盾や偏見に虐げられた人々に美を見出し、共に生き、作品を描き続けています。
ケーテとアミキ、色褪せることのない2つの魂
ケーテ・コルヴィッツは日記にこう書いています。
「私がどんなに戦争の画をたくさん描こうとも、戦争が終わることはない・・・」
そして自身の無力感を嘆き、苦悩します。
私たちの知る時代に、紛争、内戦、戦争のなかった時代はあったでしょうか?
力による支配、抑圧、コントロール、操作・・・。私たちは今の時代も、社会の矛盾や非公平性、非人道性に憤りを感じ、自分の無力感を嘆き、苦悩しています。
しかし同時に、無力感を感じながらも、小さな声を上げ続けなければならないと信じています。ケーテやアミキのように。
ドキュメンタリー映画「ジャーニー・トゥー・ケーテ」は、 ケーテとアミキ、2つの魂に、作品を通して近づこうとします。 時代を超えて、多様性と共生、非戦と平和を祈る作品です。

クレジット
出演: | アミキ ダンス シアター カンパニー |
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声の出演: |
ウタ・コダイラ・シュンプ、野中 剛 |
制作・著作: | 有限会社ランドスケープ |
監督: | 野中 剛 |
<日本語字幕> オンデマンド配信 / 白黒 / ステレオ / 51分 / 1996年度作品 |