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>Top  > 作品  >ブルーノ・シュルツ 二度目の幼年期

 

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     ぼくの理想は、
     幼年期に向けて成熟することです。
     それこそが真の成熟となるでしょう。
                   ブルーノ・シュルツ








解説



ブルーノ・シュルツの文学世界を、
ポーランドの名優、ヤン・ペシェクが朗読。

 ポーランドの作家、ブルーノ・シュルツ。終戦を待たずゲシュタポに射殺されたシュルツは、「ストリート オブ クロコダイル」「砂時計サナトリウム」の作者として日本では知られています。

 シュルツは言います。
「ぼくの心情にぴたりとくる種類の芸術は、幼年期への復帰です。もしも発達を逆行させ、なにか遠回りの道を通って二度目の幼年期に達することが可能なら、もう一度あの充実性と無限性を取り戻せるなら、それはすべての神話を通じて、ぼくらに約束された“天才的な時代”の再現となるでしょう。ぼくの理想は、幼年期に向けて“成熟”することです。それこそが真の成熟となるでしょう」

 シュルツは生涯、文学を通して、人が幼年期に持つ充実性無限性、創造性を復興、成熟させようとしました。ポーランドでは彼の名を知らぬ人はなく、その作風から、“ポーランドのカフカ”とも称されています。
 DVD「ブルーノ・シュルツ 二度目の幼年期」は、シュルツが自書に自ら描いた挿し絵を背景に、シュルツを愛して止まないポーランドの名優、ヤン・ペシェクが、シュルツの文学と書簡を朗読します。シュルツの文学と人生が、名優の朗読で現代に蘇ります。

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付録映像として、
「ブルーノ・シュルツ画集」を収録。

 文学だけでなく、画家としてのシュルツの世界も大変奥深いものです。彼の絵画作品もより多く紹介すべく、「ブルーノ・シュルツ画集」(25分)を付録映像として収録しました。
 ガラス版画集「偶像賛美の書」から表紙を含めた36点、短篇集「肉桂色の店」から表紙5点、短篇集「砂時計サナトリウム」から表紙と挿絵48点、自画像14点。合計103点のシュルツの作品をご鑑賞いただけます。


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シュルツ

ブルーノ・シュルツ

Bruno Schulz  
(1892〜1942)
作家・画家 

 ポーランド東南部の街、ドロホビチ(現ウクライナ領)のユダヤ人家庭に生まれる。美術学校で絵を学んだシュルツは、1924年から契約教師としてドロホビチのギムナジウで美術を教え始める。同時期に、短編集『肉桂色の店』、「砂時計のサナトリウム」の2作品を発表。作家活動を続ける。
 1941年、ドロホビチはナチスに占領され、シュルツらユダヤ人は、ゲットーでの生活を強いられる。シュルツは、芸術を愛するゲシュタポ将校から擁護されていたが、1942年、ゲシュタポによるゲットーでの無差別殺戮に巻き込まれ、射殺される。
 シュルツの作品は、主にドロホビチの街や家族の事が描かれている。極めて狭い世界の物語ではあるが、カフカやボルヘスを彷彿させる創造性の高い文学宇宙を構築している。シュルツが生涯目指していたのは、二度目の幼年期。鳥に変身する父や、突然空を飛ぶ人物など、シュルツの文学世界は、まさに、二度目の幼年期の創造性によって描かれており、日常の神話化とも言える。
 画家としてのシュルツは、自身の文学作品の挿絵を描くだけでなく、連作版画『偶像讃美の書』も発表している。女性の足に接吻をする男性など、エロティズムとマゾヒズムを感じさせるその作品は、バルデュスとも比較され、現在でも多くの解釈がなされている。
 シュルツの芸術は、多くの芸術家に影響を与えている。アイザック・シンガー(作家)、タデウシュ・カントル(演出家)は、シュルツへの賞賛を公言している。また、シュルツ作品の映像化としては、ヴォイチェフ・ハス監督の「砂時計」、ブラザー・クエイ監督の「ストリート オブ クロコダイル」が有名である。






     Jan
ヤン・ペシェク

Jan Pszek  
(1944〜)
俳優 

 クラクフ演劇アカデミー卒。卒業後、ウッジブロツワフクラクフの劇場に属したのち、由緒あるスターリー・テアトルのトップ俳優として、舞台、映画、TVで活躍。特に1964年以来、ポーランド前衛音楽を世界的に広めたMW-2アンサンブルに参加してパフォーマンスを展開、絶賛を浴びている。その一つである一人芝居「存在しないが存在可能な楽器俳優のためのシナリオ」は、世界各国で上演される。主に、アンジェ・ワイダ、ヤロツキィ・グラボフスキらと共に仕事をしており、古典から近代から前衛まで、シェークスピアやチェーホフやベケットなどの多くの作品を演じている。1988年グダニスク映画祭では、「スワン・ソング」の主役でグランプリを獲得。ウッジ映画大学、クラクフ演劇アカデミーの教師も務めている。他のどんな作家よりもシュルツを愛し、自らの演出、主演でシュルツの原作「砂時計のサナトリウム」を上演。東京公演も果たしている

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         クレジット


声の出演:  ヤン・ペシェク
       野中 剛
製作:    シアターX、株式会社ミック、有限会社ランドスケープ
編集:    野中 剛
監督:    野中 剛 

<日本語字幕>
DVD / 16:9 / カラー / ステレオ / 28分+25分 / 定価:4,200円(税抜)
2018年度作品