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>Top  > 作品  >みんなちがってみんないい ヴォルフガング・シュタンゲのダンス・ワークショップ

 



  




               解説



 障がいを持つ方々の身体表現を、芸術的表現としてとらえる
 障がいを持つ方々のユニークな表現活動、それを芸術的表現としてとらえ直すムーブメントが日本で始まったのが、1990年台初頭。主にそれは絵画など美術の分野から始まりました。
 身体表現の分野では、同時期にヴォルフガング・シュタンゲが、障がいを持つ方と持たない方を対象としたダンス・ワークショップを定期的に開催し、その方法と思想を日本に浸透させました。
 「みんなちがってみんないい」は、1990年に開催された彼のダンス・ワークショップのドキュメンタリー(デジタル・リマスターDVD)です。
 自由に身体を動かす楽しさにイキイキと輝く人たち、これまでになかった新しい体験と思想に、喜びと驚きを隠せない人たち・・・。
 このワークショップから、日本で障がいを持つ方々の身体表現を、芸術的表現としてとらえ直すムーブメントが始まったと言えます。本作品は、どんな時代にも色褪せることのないワークショップとその思想を、初々しく伝えます。
 今でも多くの人から寄って立つ所とされ、愛され続ける作品です。




 障がいを持つ人と持たない人が共に楽しむ表現活動
 ヴォルフガング・シュタンゲは、ロンドンを拠点に、1975年頃から心身に障がいを持つ人と持たない人のためのダンス・ワークショップを主宰してきました。
 「セラピーではない。あくまでも新しいアートとして」と言うヴォルフガング・シュタンゲ。彼のワークショップでは、普段は否定される障がい者の身体の動きを美しいものとして捉え、それを伸ばし分かち合っていきます。そして、自由に身体を動かしてダンスを創作していくことによって、障がいを持つ人も、持たない人も、自分の表現能力に気づいていきます。

「ヴォルフガングのワークショップは、決められたパターンをやるんじゃなくて、何をやっても自由だから、自分が思うように動ける。踊っていて本当に楽しい」(参加者の声)

「障がいを持つ人と触れ合うのは初めてだったのですが、一緒に踊っていると、誰が障がい者で誰が健常者かなんて、分からなくなってきて不思議な感じがしました」(参加者の声)



 どんな時代にも色褪せない思想を伝えるDVD
 1990年夏、ヴォルフガング・シュタンゲが来日し、5日間のダンス・ワークショップをひらきました。会場には、障がいを持つ人たちと、プロのダンサーや特別支援学校の先生、音楽教育者など、合わせて40人が集まりました。中には、今までダンスを踊ったこともない人が沢山いましたし、初めて障がいを持った方と出会った人もいました。
 「みんなちがってみんないい」は、そんな彼らが、自由に身体を動かす楽しさを知り、わずか5日間の間に、みんなで一緒にダンスを創作していくようになる様子を追ったドキュメンタリーです。
 シュタンゲ氏へのインタビューも豊富に挿入し、障がいのある人もない人も実践できるダンス(身体表現)活動、どんな時代にも色褪せない共生の思想を伝えます。


「今まで、この子が否定されてきたことが、ここでは全て肯定される。ここには今までにない何かがあるって分かるんでしょうね。とってもいい顔していますね」(参加者母親の声)




            クレジット

出演:ヴォルフガング・シュタンゲ 他
製作:I.A.D.
製作:内田淳子
撮影:平原博文
DVD版製作:有限会社ランドスケープ
監督:野中 剛

<日本語字幕>
カラー / ステレオ / 59分
オリジナル版:1990年 / DVD版:2017年作品







      紹介記事



     「音楽広場」
クレヨンハウス発行
1991年3月号



 










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     「自然食通信」
新泉社 発行
1991年 50号











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プロフィール




  ヴォルフガング・シュタンゲ
                    Wolfgang Stange

 ダンス教師、振付家、演出家、アミキ ダンス シアター カンパニーの創設者。1947年ベルリン生まれ。
 ヴォルフガングは、20代前半、英語を学ぶためにロンドンに渡りました。ある日、友人の紹介でヒルダ・ホルガーのダンス・レッスンを受けたことがきっかけで、ヒルダ・ホリガーをダンスと人生の師と仰ぐようになります。以後、ロンドン現代舞踊学校でさらなるダンスの研鑽を積み、ロンドンで暮らすようになりました。
 1970年代前半、友人の勧めで、精神科の患者さんにダンスを教えた経験から、独自のダンス観、芸術観を育み始めます。そして、知的障害、卒中、身体障害、心臓疾患の人々にダンスを教え、“ダンス・ダイナミクス”という、彼のダンス哲学を構築していきます。今まで、ダンスとは認められなかった障害を持つ人たちの身体の動き。ダンス・ダイナミクスは、その中に美を見出し、共にダンスをすることによって、芸術のレベルへと高めていくものです。お互いがお互いの能力を認め、分かち合い、学び合う。そんなダンス・ダイナミクスの考えは、単なる芸術観を越え、人間が生きることの奥深さにまで到達しているように思えます。ちょうど、ヒルダ・ホルガーが、子どもや自然の中に美を見出したように、ケーテ・コルヴィッツが、虐げられた労働者の中に美を見出したように、ヴォルフガングも、既成の価値観を越えたものに美を見出したのです。


 障害と芸術に対する今日の社会で支配的な見方から解放されたそのとき、創造の過程に立ち合うことができるのだ。   ーヴォルフガング・シュタンゲー


 1980年、ヴォルフガングは、健常者と障害者で構成されるアミキ・ダンス・シアターカンパニーを 創設しました。以後、『リュックブリック』『ヒルダ』など、数々の名作舞台をコンスタンスに発表。国際的評価を得ていきます。


 アミキ ダンス シアター カンパニーをセラピーの一種だなどと考えたらとんでもない。これぞまさしくプロの劇団だ。ーイザベル・ウォルフ(タイムズ誌)ー


 ダンスや芸術は、一握りの限られた人だけのものではなく、誰もが楽しみ、創造できるもの。そんなヴォルフガングの仕事は、芸術の裾野を広げ、わたしたちに生きることの歓喜、共に理解し合うことの喜びに目覚めさせてくれます。
 現在もヴォルフガングは、ダンス教師として、イギリス、ドイツ、オーストリア、ニュージーランド、オーストラリア、スリランカ、日本など世界各国で、障害者と健常者の統合されたダンスワークショップを教えています。同時に、振付家、演出家として、アミキ ダンス シアター カンパニーと共に、新作を発表し続けています。また、ここ数年、スリランカのダンス シアター カンパニー“バタフライ シアター カンパニー”とのコラボレーションも積極的に行い、活動の範囲をさらに広げています。